このように、Flash Player 10.1の最大の特徴としてまず挙げられるのがFlash Player 10のフル機能が対応するすべてのデバイスで利用できるという点だ。長いFlashの歴史の中で、モバイル機器も含めてフル機能をサポートするのはこの10.1が初めてのことである。
ただし、10.1のマルチデバイス対応というのはそれだけに留まるものではない。10.1ではマルチスクリーンコンテンツのために様々な新機能が追加されている。例えば次に挙げるような機能だ。
- マルチタッチおよびジェスチャのサポート
- 加速度センサーのサポート
- スクリーンの向きを変更可能
- モバイル機器向けのテキスト入力
- GSLibのサポート
- グローバルエラーハンドリングの追加
マルチタッチおよびジェスチャはiPhoneなどのタッチパネル型端末でサポートされている機能で、複数地点の同時タッチの検出や、タッチの仕方(指の動かし方)の検出ができるようにするものである。10.1ではActionScript3にこれらを検出できるようにするためのAPIが追加されると。それと同時に、従来のAPIはマウス入力を前提として作られているため、これを設計し直したとのことである。
GSLibは位置情報を利用できるようにするためのライブラリである。10.1ではActionScriptにロケール依存に対応したAPIが追加されるという。たとえば、日付/時刻/通貨などの地域ごとのフォーマットの変更や、検索やソートのための文字列比較、大文字/小文字の変換などがサポートされることになる。下の画像は、この機能を用いてロケールごとに株価情報の表示フォーマットを変えられるようにしたデモ画面である。
グローバルエラーハンドリングというのは、アプリケーション内でキャッチできなかったすべてのエラーを1カ所で処理できるようにする機能。予期であるしないエラーを放置したり個別に処理するのではなく、まとめて処理できるようなエラーハンドリングのためのAPIが追加されているとのことだ。