米連邦取引委員会(Federal Trade Commission: FTC)は10月5日(現地時間)、推薦型広告に関するガイドラインを1980年以来、30年ぶりに改訂した。推薦型広告とは、例えば実際の製品の使用者や著名人が登場してそのメリットを訴えるもので、単純な広告よりも効果が高いといわれる。今回の改訂は12月1日から有効となるが、FTCでは最近増えつつあるブログやSNSなどの新型メディアを利用した広告について触れており、今後大きな影響を受けることになりそうだ。

米FTCが1980年以来の広告ガイドライン改訂を発表

今回のFTCの広告ガイドライン改訂では2つの大きな変更点がある。1つは前述のように一般ユーザーがブログやFacebook/ TwitterなどのSNSを通じて製品の宣伝を行う場合、広告主との関係を明示する必要ができたことだ。もしこうした宣伝を行う場合、金品の授受の有無などを明示しなければならない。これは一般ユーザーだけでなく有名人などを起用した広告も同様で、広告主との関係をあらかじめ明示することが求められる。

変更の2つめが誇大広告で、その典型的なものが「1ヶ月でみるみる痩せる」といったダイエットサプリ製品だ。こうした広告では一般に被験者を広告に出してその効果や喜びのコメントをアピールしているが、こうした効果にきちんとした裏付けを求めることで、野放図な誇大広告に歯止めをかける狙いがある。

最近では、バイラルマーケティング(クチコミ)の一環としてブロガーなどに金品や製品を授与して好意的なレビューを書かせたり、適時宣伝を行わせる手法がよく見られるが、急速に変化しつつあるメディア事情を鑑み、FTCが早い段階で手を打った形となる。