エンタープライズ分野での最新動向としては、「Adobe LiveCycle Enterprise Suite 2(ES2)」が発表されたことが挙げられる。このLiveCycle ES2と、すでに7月にパブリックベータ版が公開されている「ColdFusion 9」が、エンタープライズアプリケーションにおけるサーバレイヤ製品の双角となる。そしてLiveCycle ES2には新たに「Adobe LiveCycle Mosaic ES2」というツールが加わっている。

AdobeでDirector ob Platform Evangelismを務めるBen Forta氏は、LiveCycle ES2とColdFusion 9、そしてそのLiveCycle Mosaic ES2によるエンタープライズアプリケーションのアーキテクチャをのように紹介した。LiveCycle MosaicはUIレイヤを担当するRIAフレームワークである。のようにタイル状になったプリケーションを1つの画面に配置することにより、必要な機能が集約されたリッチアプリケーションを容易に構築することができるという。

ポイントは、この個々のタイルはFlexで作られている必要はなく、HTMLやAjaxなどでもいいという点である。そしてタイル間はJavascriptを用いて通信することができる。これによって各タイル同士を容易に相互連携させることが可能で、ポータルのように独立したウィジェットを配置してサイトを構築するものとは本質的に異なるのだという。なお、タイルの製作には「Mosaicデザイナ」をAIRアプリケーションとして提供するとのこと。

LiveCycle ES2とColdFusion 9で実現する新しいアーキテクチャ

LiveCycle Mosaic ES2によるRIAアプリケーション。カード型のアプリケーションは自由に配置できる

その他、LiveCycle ES2およびColdFusin 9ではクラウドへの対応が強化されている。標準オプションとしてAmazon EC2上で動作するインスタンスが提供されるため、Amazonで提供される強力なインフラとそれに最適化されたアプリケーション環境をすぐに利用できるようになる。