NEC、東京医療保健大学、KRDコーポレーションはICタグにより、体内への手術器械の置忘れを防ぐためのシステムを共同で開発し、外科手術における臨床試験を今年の9月から約6カ月間行うと発表した。
外科手術の現場では、1回の手術で100本以上の手術器械を使用するため、この管理のための工数が莫大なものとなっており、このことが、手術器械などの体内置忘れなどの体内遺残事故の要因となっているという。
3社が開発したシステムは、手術器械(メス、鉗子などの鋼製小物)に、洗浄後の再使用の際に必要となる工程である高圧蒸気滅菌などに耐えうるKRDコーポレーション開発の特殊なセラミック型ICタグを取り付け、手術中所在・定数管理や、手術器械の製造・使用・滅菌履歴等を管理するというもの。
臨床試験では、NECがシステム・ソフトウェア開発、データ格納用のサーバや院内LANの構築を行い、臨床試験(外科手術)とそれによる課題抽出は埼玉県済生会栗橋病院・東京大学の担当医師と看護師が担当。試験の運営・データやシステムの有効性の検証は東京医療保健大学が行う。
また、この試験では、電子カルテ等へのICタグの活用や、将来の手術器械のレンタル業者委託(器具管理、洗浄、滅菌を含む)を想定した物流管理システムへの応用も想定しているという。