ソニーは1日、毎秒240フレームによる3D撮影を実現する単眼レンズ3Dカメラ技術を開発したことを発表した。同技術を搭載した試作品は、今月開催される「CEATEC JAPAN 2009」にて参考展示される。
この技術は、光学的に左右の画像を同時に撮影できる単眼レンズ3D光学系システムと、既存のハイフレームレート撮影技術を組み合わせたもの。これまで2つのレンズで視差を再現するシステムでは、ズームやフォーカスのレンズ連動において光軸やフォーカスのずれを生じさせないための複雑な技術が必要とされてきた。今回開発された技術では、単眼レンズ化することでこのずれを抑制し、より簡単に正確なズーム/フォーカス調整が可能となった。
また、シャッターの代わりにミラーを使用して、入射光を同時に左右の画像に分離し、それぞれのイメージセンサで処理・記録することで、左右眼の撮影時刻に差が生じず、スポーツなどの動きの激しいシーンでも自然でなめらかな3D映像を実現するという。
映画館の3D上映対応スクリーンが増加する中、同社では関連機器やコンテンツ制作向けの機器・技術の開発を推進している。さらに2010年には、家庭向けにハード・コンテンツ両面の提供を行う考えだ。