Actelは、DSPを搭載したアンチフューズベースFPGA「RTAX-DSP」のプロトタイピング版の提供を開始した。これにより、同社の宇宙飛行システム用のRTAX-DSPを対象にした設計のハードウェアデモとタイミング検証を実施することが可能になる。同プロトタイピングFPGAは、すでに宇宙飛行用として認定されているFPGAと同様のピン配置およびパッケージで、防衛仕様の温度範囲である-55~+125℃で同一のタイミング特性を実現する。

RTAX-DSPのラインナップにより、従来の宇宙飛行用「RTAX-S」ファミリに、組み込み積和演算ブロックが追加されることとなり、信頼性や耐放射線性を犠牲にすることなく、ハードウェアDSPアルゴリズムにおいて直面するような演算機能の実装時に、デバイス性能と使用率を向上させることが可能となる。

RTAX-DSPは、最大120の組み込み積和演算DSP計算ブロックを備え、放射線により誘発されるSEUやSETから保護されている。最大400万の等価システム・ゲートの集積度および840のユーザI/Oを有しており、組み込みDSP計算ブロックは、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタ、高速フーリエ変換(FFT)といったDSP構築ブロックの効率的な実装を可能にする18ビットx18ビットの積和演算ブロックを備えている。各計算ブロックは125MHzで機能する。

RTAX-DSPのアーキテクチャ

プロセスはUnited Microelectronics(UMC)の0.15μmプロセスおよび同様のアンチヒューズ・プログラマブル・インターコネクト技術が採用されている。