ロームは、監視カメラやホームセキュリティ機器、自動車のドライブレコーダなどのカメラモジュール搭載機器向けに、霧画像処理機能を搭載したビデオエンコーダLSI「BU6521KV」を開発したことを発表した。サンプル価格1,200円で2009年9月中のサンプル出荷を予定しており、同年12月から量産を開始する予定。量産規模は月産10万個規模から開始する。生産は前工程を本社工場で、後工程をROHM ELECTRONICS PHILIPPINESがそれぞれ担当する。
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「BU6521KV」のパッケージ外観 |
同社では、すでに逆光や夜間のような暗闇環境下でカメラ画像の視認性を向上することが可能な独自のハードウェア画像補正技術「AIE(Adaptive Image Enhancer)」を内蔵したビデオエンコーダLSI「BU6520KV」を提供しているが、今回の製品は、同LSIに霧やもやがかかった不鮮明な映像をリアルタイムに補正する機能を追加したエンコーダLSIとなっている。
カメラで撮影した入力画像の輝度ヒストグラム分布を作成し、その情報を基にコントラスト補正、色補正を行い出力することにより、霧のため白っぽくなった画像のコントラスト比の向上や消えかかってきた色の際立たせなどが可能だ。
また、霧の有無や霧の白っぽさの度合いを判断し、適切な補正処理を行う自動補正機能を内蔵しており、自然環境の変化の判定を外部のCPUなどを使用せずにおこなうことが可能である。
さらに、画像補正処理のリアルタイム性を確保するために、高速処理を実現するためにハードウェアで最適な演算処理アルゴリズムを確立。これにより、フレームレートを30fpsまで処理することが可能となっている。
なお、ロームでは、カスタマのニーズに即した製品開発を進めることで、シリーズのラインナップ拡充を進めていくとしている。