ルネサス テクノロジは8月20日、MFP(Multi Function Printer)などの複合機分野におけるシステムの多機能化への対応およびコンパクト、低コスト化に対応する16ビットフラッシュメモリ内蔵マイコン「H8S/2425」「H8S/2427」を製品化したことを発表した。サンプル価格は800円からで、11月よりサンプル出荷を開始する計画としている。

左が120ピンLQFPを採用した「H8S/2425」、右が144ピンLQFPを採用した「H8S/2427」

2製品ともに、同社の16ビットマイコン「H8S」ファミリの周辺機能展開品「H8S/2300シリーズ」の拡張品であり、周辺機能の強化による外付け部品の低減および内蔵RAMの従来比2倍となる64KB化のほか、33MHz動作、512KBのフラッシュメモリの内蔵を実現している。また、民生・産業分野からの要求にも対応するための5V動作品および温度拡張品などもラインナップされている。

主な周辺機能の強化としては、タイマ、シリアルコミュニケーションインタフェース不足の解消に向け、16ビットタイマを12チャネルに倍増したほか、シンクロナスシリアルコミュニケーションユニット(SSU)を追加している。また、I2Cバスインタフェースを4チャネルに倍増したことで、例えば100Kbps、400Kbpsのデータ転送を別系統で2チャネル使用しつつ、別チャネルでEEPROMに接続することが可能となる。

さらに、DMAC(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)は、ショートアドレスとフルアドレスモードが同時に使用可能なほか、最大6チャネルまで対応が可能となっている。加えて、外部メモリインタフェースとしてSDRAMインタフェース、アドレス/データマルチプレクスI/O、FSIインタフェース機能を追加したほか、民生分野向けにA/Dコンバータを2ユニット搭載しており、同じ起動要因で同時変換が可能となっている。

開発環境には同社の統合開発環境「High-performance Embedded Workshop」と連携するフラッシュ開発ツールキット、オンチップデバッギングエミュレータ「E10A-USB」およびフルスペックエミュレータ「E100」が揃えられており、リアルタイム制御のデバッグが実行可能となっている。