LSIの日本法人であるLSIロジックは7月28日、同社の6Gbps SAS RAID-on-Chip(RoC)「LSISAS2108」を搭載した次世代RAIDコントローラカード「MegaRAID 9200シリーズ」をチャネル向けに販売を開始することを発表した。

2009年4月にLSIのSenior Manager, Worldwide Channel Marketingに就任したSuresh Panikar氏

LSIのSenior Manager, Worldwide Channel MarketingであるSuresh Panikar氏は、「LSIは3wareを買収したことでトップシェアを獲得した。この経験により我々は顧客の多くがハイパフォーマンスのRAIDカードを求めていることに気が付いた」とSAS 2.0対応のRAIDカードを他社に先駆けて提供する意義を語る。

今回発表されたのは、SATA/SASの混在使用が可能な6Gbps対応RAIDコントローラ5製品で、同社の実測では従来品比でリードが2倍強となる1875MBps、ライトが約3倍程度となる1800MBpsを実現しているとしており、「一般的でかつ広く使用されているアプリケーション(動画共有、データセンタ、HPC、ストレージアプライアンス、サーバなど)に特化した製品展開」(同)を検討しているという。

展示されていた「MegaRAID 9260-8i」と「MegaRAID 9280-8e」(後部の黒い部分はバックアップ用のリチウムイオン電池)

製品名 ポート数 提供時期
MegaRAID 9260-8i Single 内部8ポート 提供済み
MegaRAID 9260-8i Kit 内部8ポート 提供済み
MegaRAID 9260DE-8i Single 内部8ポート 2009年9月販売予定
MegaRAID 9260-4i Single 内部4ポート 2009年9月販売予定
MegaRAID 9260-4i Kit 内部4ポート 2009年9月販売予定
MegaRAID 9280-8e Single 外部ポート 2009年9月販売予定
MegaRAID 9280DE-8e Single 外部8ポート 2009年9月販売予定

Singleはいわゆるバルク品、KitはRAIDカードのほか、ドライバCD、ケーブルなどが同梱される

同製品は、Self-Encrypting Drives(SED)をサポートする、SafeStore Encrytion Servicesなどに対応しているほか、スペクトラム拡散区ロッキング(SSC)、Decision Feedback Equalization(DFE)などに対応しており、ケーブル長は最大10mまで対応可能となっている。

各種OSなどの対応状況

また、RoCやRAIDカードのほか、エクスパンダなどの提供も行い、すべての環境を6Gbpsに対応させていくほか、「もうすぐ登場するはずの6Gbps対応HDDへの適応も進めていく」(同)としており、9200シリーズ以外のシリーズ展開も推し進めていく計画。

LSIのSAS/SATAロードマップ(なお、本文では触れなかったが、SSDの動向も注視しているとのことであった)

なお、同社ではチャネル販売を推進するに当たり、代理店や小売店などを対象としたMDF(Marketing Development Fund)と称するマーケティングプログラムを実施し、売上の拡大を図っていくほか、LSI本体でも認知度向上のためのプログラム展開などを進めていく計画としており、将来的に売上の比率を「OEMとチャネルで50:50くらいまで引き上げたいと思っている。ただし、それには時間も労力もリソースもかかるため、相応の努力が必要だ」(同)としている。

LSIが構築しようとしているチャネル販売の体制(左のOEM部分が既存のOEM向け販売網で、チャネル販売に強い3wareの買収により販売代理店を経由したチャネルビジネスの強化が可能となったという)