日本オラクルは7月15日、同社が提供するERPパッケージ「Oracle E-Business Suite」の最新版「Oracle E-Business Suite R12.1」を発表、同日提供開始した。
「前バージョンのOracle E-Business Suite R12のテーマは"グローバル"だった」と語るのは同社でSCM/PLMのシニアディレクターを務める岡田行秀氏。Oracle EBS R12はグローバル企業を中心に約250社に導入されており、うち約100社が本番運用中、セイコーエプソンや韓国のLG Electronicsなどの大規模導入事例も公開されている。前バージョンでは財務会計とアプリケーションテクノロジに関する機能が大幅に強化され、たとえば国際会計基準(IFRS)の導入を検討している企業などを意識したものだった。
今回のR12.1は、さらに「顧客の価値訴求を意識した」(岡田氏)パッケージとなっている。たとえば、旧バージョン(R12、R11i.10)のユーザがR12.1にアップグレードしなくとも、単体でも導入可能なアプリケーションをいくつも提供しており、迅速なオペレーションを可能にする。また、SOA対応も大幅に強化されており、Oracle EBSの各機能をサービス化して呼び出すことで、他システムとの連携も容易に行える。
また、今回はとくに人材とサプライマネジメントに関する機能が強化されているのが特徴。人材については、人材データを可視化する「タレントプロファイル」機能が追加され、従業員の業績やコンピテンシ、考課などのデータを利用したタレントマネジメントプロセスが大幅に改善されている。サプライマネジメントにおいては、グローバルの需要情報を一元管理する「Oracle Demand Signal Repository」、戦略的調達を支援する「Oracle Sourcing」など多くのアプリケーションが追加されており、TCO削減やムダのない生産管理につながる機能が強化されている。
対応プラットフォームはLinux x86/x86-64、IBM AIX、Sun Solaris SPARC、HP-UX、Windowsなど。