IDC Japanは4月16日、国内ルータ市場について、2008年の分析と2009年~2013年の市場規模予測に関する調査結果を発表した。同発表によると、2008年の国内ルータ市場は、エンドユーザー売上額が1,541億4,500万円、出荷台数は320万3,200台。

2008年の国内ルータ市場は出荷台数と売上額のいずれも前年を上回り、特に売上額は前年までの減少傾向から、前年比成長率24.1%の大幅な増加となった。その要因は、通信事業者向けルータの売上が、NTTグループのNGNサービス向けの需要を中心に大きく回復したことと分析されている。これにより、通信事業者向けルータベンダーの上位3社であるシスコシステムズ、ジュニパーネットワークス、アラクサラネットワークスは、いずれも前年比で大幅な売上増加を達成した。

一方、企業向けルータ市場は売上額、出荷台数共に減少。企業におけるネットワーク更改のサイクルの下降、経済状況の悪化が企業向けルーター市場の低迷に拍車をかけた。シェアの状況としては、通信事業向け同様シスコシステムズがリーディングベンダーの地位を確保し、次いでSOHO市場で首位を堅持したヤマハが続く。

同社では、今後の国内ルータ市場について、出荷台数における2008年~2013年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が5.5%、売上額では同0.9%と予測している。出荷台数の増加には家庭用無線LANルータの普及が主に寄与し、売上額では通信事業者向けルータの売上が市場を下支えすると見ている。

国内ルーター市場 出荷台数とエンドユーザー売上額の予測(2005年~2013年) 資料:IDC Japan