三洋電機 デジタルシステム研究所所長の村田治彦氏(画像提供:三洋電機)

三洋電機は4月14日、独自の光学技術を用いた「超短焦点投射技術」と明るい画面での投射が可能となる「レーザー光源照明光学技術」を組み合わせ、輝度7,000ルーメンを実現する超短焦点プロジェクタを開発したことを発表した。

投写レンズ群と凹面ミラーから成る超短焦点投写光学系に、指向性の良いレーザ光源を使用、さらにレーザ光源の有する良好な指向性を維持しながら複数のレーザ光源を高効率で集光する新たな「ファイバロッド照明光学系」を開発することで、低NA照明光学系を実現した。これにより、投写光学系の性能負荷軽減が可能となり、従来機種(LP-HD2000)と比較して、スローレシオが低減でき、投写距離60cmで100型、同90cmで150型を実現する。

100型投影時の投写距離(スローレシオは0.28)

また、新規ファイバロッド照明光学系は、従来型の放電ランプを搭載した光学エンジンと比較し、利用効率を約30%向上。これにより、輝度7,000ルーメンを実現した。

さらに、ブロードな波長特性を持つ従来型の放電ランプと異なり、純度の高いスペクトルを有する3 原色RGB レーザ光源を搭載することにより、現行のランプ光源搭載プロジェクタや一般的な液晶テレビの約2倍に相当するNTSC比170%の色再現範囲を実現した。加えて、レーザの広色再現特性を最大限に活かしながら、映像シーン解析と人間の視覚特性を活用して好ましい色再現を実現する映像処理技術「レーザー・カラー・プロセッシング(LCP:Laser Color Processing)」を開発し、鮮やかで印象的な映像表現を可能にしたとしており、ハイビジョン画質の表示も実現している。

色再現範囲の比較

同輝度(7,000ルーメン)におけるレーザプロジェクタ(画面左)と「LP-HD2000」(画面右)の比較投影(画像提供:三洋電機)

新たに開発されたレーザプロジェクタの全体写真(左)と画像投影部(右)(画像提供:三洋電機)