Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツは4月9日、ネットワーク対応アプリケーション向けDSP「TMS320C6743」を発表、即日サンプル出荷を開始した。参考価格は1,000個受注時で7.85ドルとしている。

同製品に搭載されるコア「TMS320C674x」は、同社の浮動小数点DSPコア「TMS320C67x+」、および固定小数点コア「TMS320C64x+」を組み合わせたコアをベースにしており、固定小数点処理性能および単精度、2倍精度の浮動小数点性能を提供することが可能である。

また、固定小数点DSP「TMS320C6000」プラットフォームとの間でコード互換性を備えており、既存のソフトウェアコードを活用することで、アルゴリズムがプログラミングしやすくなるほか、ローパワープロセッサ「OMAP-L137」がソフトウェアおよびピン互換性を備えており、用途に合わせて上位の多機能・多ペリフェラル搭載製品から、より低消費電力な下位機能の製品まで、短い開発工数で、製品を拡張することが可能となる。

さらに、イーサネットMACおよびMMC/SDを集積したことで、幅広い接続オプションを提供することが可能なほか、ネットワーク接続およびワイヤレス接続機能を追加する場合、専用の個別部品が不要となり、コストの低減が可能となる。

このほか、「EDMA 3.0」エンジンが、例外処理、およびキャッシュのコヒーレンス表示により、より高度のシステム性能、より優れたデバッグ機能を実現しているほか、192KBのオンチップ・メモリにより、使用条件によっては外部メモリを不要とすることが可能となる。

なお、消費電力はオペレーション時490mW、スタンバイ・モード時60mW。スターターキットとしては、「OMAP-L1x/C674x」向けスターター・キット「TMDXOSKL137BET」を使用することが可能。同キットは、IDE(統合開発環境)「Code Composer Studio」およびカーネル「DSP/BIOS」へのサポートが付属している。