Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツは4月1日、MP3プレーヤやスマートフォンの音楽再生機能を拡張するClass-G動作、25mW出力の「DirectPath」ステレオヘッドホンアンプ「TPA6140A2」「TPA6141A2」を発表した。TPA6140A2に関しては、すでに量産出荷を開始しており、1,000個受注時の単価(参考価格)は0.95ドルとなっている。TPA6141A2は2009年第2四半期の供給開始を予定している。

「TPA6140A2」「TPA6141A2」の回路構成図

2製品ともに、静止電流が0.6mA/チャネルであり、かつ総合的な電源電流を5mA以下に抑えながら、32Ωの負荷に対し5mW/チャネルの出力を供給でき、機器のバッテリ動作時間を延長することが可能だ。これにより、同社は、Class-ABテクノロジーを使用した競合他社製品と比較して、アンプ単体でのバッテリ寿命を45%伸長し、システムレベルにおいて音楽再生時間を20%伸長することができるようになるとしている。

また、ポップノイズの抑制回路を内蔵していることから、アンプ電源の通電時に発生するポップノイズを完全に防止でき、切れ目のないオーディオ体験を提供できる。

さらに、105dBを超えるPSRR(電源リップル除去比)、および差動入力によるノイズ除去比の向上、ならびに105dBのSNR(信号-雑音比)がサウンド品質を向上し、よりクリアなオーディオを提供することが可能になるという。

さらに、TPA6140A2は、I2C経由で、-59dB~+4dBの可変範囲、32段階のボリューム制御を提供しており、設計上の柔軟性を提供するほか、TPA6141A2は、ボリューム制御の内蔵が不要な機器向けに、0dBと+6dBという2種類の固定ゲイン設定を提供する。

なお、他のグラウンドと分離されたSGND入力により、ヘッドホン用以外のアクセサリと接続する場合には、グラウンド・ループに起因するノイズを低減することが可能となっている。