NECエレクトロニクスは3月23日、同社子会社の日電電子(中国)を通じ、中国のソフトウェアおよび基板設計会社であるShanghai RaisingSun Digital Video Technologyと共同で、中国の地上デジタル放送(地デジ)対応テレビの試作機となる基板からソフトウェアまで一式を開発したことを発表した。

今回開発された試作機は、NECエレの画像処理用システムLSI「EMMA 3 TL」およびドライバソフトと、RaisingSunのミドルウェア、アプリケーションソフトを組み合わせて実現したもの。テレビメーカーは試作機の基板やソフトウェア一式をそのまま採用することにより、次世代動画圧縮規格H.264/AVCに対応した地デジを視聴できるフルハイビジョンテレビを短納期で市場投入可能になるという。

共同開発は2008年5月より開始、日電電子(中国)がEMMAの技術情報をRaisingSunへ開示するとともにドライバソフトの開発を行い、RaisingSunが開示された情報をもとにミドルウェア、アプリケーションソフトの開発および基盤の設計を行った。

両社は、今回の開発に続き、欧州のテレビ市場向け製品の共同開発を行うことにも合意しており、今後、開発活動を推進する計画としている。

なお、NECエレクトロニクスでは、RaisingSunを共同開発のパートナーに選定した理由を、同社がデジタルAv製品の設計において優れた技術と多くの特許を有していること、特に中国市場向けテレビについて豊富な開発経験を有しているため、としている。