大電流蓄電装置 - Liquid Battery

新型バッテリ開発は、IT業界のみならず、電気自動車を経済再生の柱の1つとする産業界全体の努力目標でもある。HPが新型バッテリに米Boston-Powerの技術を採用して大きくニュースで取り上げられるのも、同市場で大きなシェアを持つ日本対抗の意味合いが強いと考えられる。

今回新たに紹介されたのは、MIT教授のDonald Sadow氏が開発した新型バッテリだ。同氏によれば「従来の数十倍以上」という大電流を得られる蓄電装置となる。

プロトタイプでは、絶縁体容器の中に電極を挟んで3層の液化金属が封入された構造になっている。底部がアンチモン、中部が塩化硫黄などの電解質、上部がマグネシウムと区分けされ、バッテリが放電状態になると電解質の容積が増え、充電されると液化金属部の容量が増える構造になる。

極の部分を液体にしたことで、例えば鉛や酸を使った自動車用のバッテリなどと比べ、信頼性や可搬性の面で優れ、さらに固体金属に比べて容積面で余裕ができ、バッテリ容量が増えるというメリットがあるという。

リモコン昆虫 - Biological Machines

一般的なコンピュータの話題からは少し離れるが、コンピュータ技術で生物を遠隔操作する仕組みはSFの世界を彷彿とさせ、将来的にも非常に興味深い分野だといえる。

詳細は小誌でも過去にレポートしているが、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)教授のMichel Maharbiz氏ならびに同グループで研究に取り組んでいる佐藤裕崇博士の成果だ。

昆虫にマイコンとバッテリ、アンテナを搭載し、6つの電極を昆虫の体内に取り付けることで電波によるリモートコントロールを実現する。軍事研究の一環だが、その用途は地理的や地形的に人間の到達が難しい場所にこうした生体マシンを飛ばし、探索や救援ミッションに利用することを想定している。

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ここでは4つにとどめたが、同誌ではほかにも「$100 Genome」「Paper Diagnostics」「Traveling Wave Reactor」「Nanopiezoelectronics」「HashCache」「Software-Defined Networking」といった技術の数々が紹介されている。各技術の詳細についても、興味のある方はぜひ一読してほしい。