「Photoshop CS4」の新機能の中でも、筆者が特に注目しているのが「Camera RAW」の進化だ。RAW現像の時点である程度画像を作り込むことができるメリットは大きく、画像の品質を保ったまま修正が可能となる点は大きなポイントといえる。

進化した「Camera RAW 5」

Photoshop CS4の進化した機能として「Camera RAW 5」は外せないポイントのひとつだ。前回のバージョンアップではトリミングや赤目補正等の機能が追加された。さらに今回のバージョンアップにより、部分的な明るさの補正や切り抜き後の周辺光量補正などが加わった。

最もシンプルな機能だが、印象的な画像を作るのに便利なのが「段階フィルタ」だ。このフィルタはグラデーション状に明るさを調整してくれるフィルタで、空の色を落としたいとき等に使うと非常に便利である。暗くなった部分にノイズが乗ることも無く、画像の品質を保ったまま印象的な写真へと変化させることが可能だ。

元の画像データ。夕景だが空が明るく、臨場感に欠ける。これを段階フィルタで補正してみよう

まずは空の部分に段階フィルタを適用してみた。空の部分が暗くなることで、富士山のシルエットが一段と引き立ってきたのがわかる

空だけを補正してしまうと海面の明るさが不自然になるため、海面にも段階フィルタを適用。このように複数の場所にフィルタを適用できるようになっている

現像後の画像。画面にメリハリがつき、印象的な画像に変化した。また、暗く落とした部分を拡大してみるとわかるが、ノイズも無く、きれいに暗部が再現されているのがわかる