三洋電機は2月16日、同社開発の独自構造セルを採用した「HIT(Heterojunction with Intrinsic Thin layer)太陽電池セル」の生産拠点である二色の浜(大阪府)に、新棟を建設し、生産能力を増強することを発表した。

新棟が建設された場合の二色の浜工場のイメージ図(一番左の建屋が今回建設が行われるHIT太陽電池セル工場)

現在、HIT太陽電池セルの生産を、同二色の浜工場と、島根三洋電機で行っている。生産能力は340MWで、今回の新棟建設と併せて鳥取三洋でも既存工場の設備増設を行うことで、生産能力を2010年度には合計600MW程度まで引き上げることを計画している。

新棟はの着工は2月17日、完成は同10月で、2010年末からの稼働を予定している。3階建てで、述べ床面積は1万8,000m2、投資額は建屋のみで約60億円としている。

三洋は、新日本石油と対等出資による太陽電池の製造・販売を行う合弁会社「三洋ENEOSソーラー」を1月に設立しているが、そちらは薄膜太陽電池であり、今回のHIT太陽電池に関しては、三洋が独自に事業展開を続ける。なお、三洋では、HIT太陽電池の生産規模を2020年度には2GWへと拡大していくことを計画している。