NECは2月13日、薄型フレキシブルな特長を持つ「有機ラジカル電池」の出力特性を向上させたほか、1万回以上のパルス繰り返し充放電が可能であることを実証したことを発表した。
今回、電極用インキの均質分散技術および印刷技術を用いて有機ラジカル材料と炭素繊維のナノ複合構造の均一性を改良することにより、有機ラジカル正極の内部抵抗を低減し、電池の出力密度を従来比3倍の5kW/Lに向上した。
また、有機ラジカル材料と電解液との相溶性を改善するなど、構造改良を行うことで、高出力パルス放電の安定性を向上し、1万回以上の繰り返し放電が可能であることを実証した。
これらの性能向上により、例えば厚さ1mm以下のコインサイズの薄型フレキシブルな有機ラジカル二次電池で、1Aの電流放電や2Wの出力特性、100mA放電の1万回繰り返し充放電が可能となった。
今後は、さらなる高出力密度化に加えてエネルギー密度と信頼性を向上させることにより、有機ラジカル二次電池の性能向上を目指すとしている。加えて、非接触充電技術などと組み合わせて利便性を高めることにより、高機能ICカード、電子ペーパー、ウエアラブル端末などの次世代ユビキタス端末の電源への応用を目指した研究開発活動を行っていくとしている。