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クラリオン経営推進本部 |
「サーバ統合は一極集中の状態でもありますので、可用性は重要な要素です。実は先日、ESXが稼働している2台の物理サーバのうち、1台をメンテナンスする必要がありました。稼働率の低いシステムを止めることも考えたのですが、ホストマシン間で稼働している仮想マシンを自由に移動することのできるライブ・マイグレーション機能「VMware VMotion」を利用し、一時的に全仮想マシンを1台に寄せたところ、きちんと動いたのです。メンテナンス時間はごく短いものだったのですが、可用性という部分では驚きました」と中村氏は語る。VMware Infrastructure 3のように可用性をメリットとして挙げる製品は存在する。ただし、短い時間とはいえ、平日の勤務時間帯にダウンタイム無しでそれを実現するシステムはそう多くはない。
「先ほどお話ししましたように、従来は各部門にそれぞれのシステム、それぞれのサーバが設置してあったので管理にも悩んでいました。VMwareを導入した結果、各部門で運用しているシステムのいくつかについては統合化が果たせています」と郷氏。実際にVMware Infrastructure 3の構成要素の中で全体の管理を司る「VMware VirtualCenter」を活用し、ActiveDirectoryに所属するユーザーやグループに対し仮想マシン単位で権限を与え、部門に運用を任せることも可能だという。それにはすぐれたUIが必須だが、VirtualCenterにアクセスし、コントロールするための「VMware Infrastructure Client」の使い勝手の良さにより、IT担当者に負担を掛けることのない管理を実現しているのだという。
「サーバの運用の基本はリモートデスクトップで行うのですが、WindowsのようなリモートデスクトップをサービスしていないOSや、一般的にリモート操作ツールとして使われるVNCをセキュリティポリシー上禁止している、LinuxのようなOSもあります。しかし、VMware Infrastructure Clientを利用することで純正のツールでコンソール操作が行えますので、問題なく利用できますし、このツールにより仮想マシンの電源オン・オフや強制リセットも可能ですから、サーバルームまで来る手間が省ける分、利便性はむしろ向上したともいえるのです」と郷氏はユーザーの立場からの使いやすさ、管理のしやすさを強調する。また、懸念材料のひとつになっていたテスト・検証環境の構築に関しても、「仮想環境なら必要なシステムをすぐに用意できます。OS、アンチウイルスソフト、そしてディスクリソース、すべて自在に構築可能なのです」と郷氏は語る。