NECエレクトロニクスは1月14日、東欧やロシア、インド、南アフリカなどの地域で普及が見込まれるH.264の標準画像(SD)放送に対応したSTB用システムLSIとして、「EMMA 3SL/LP」および「EMMA 3SL/L」を開発、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は2製品ともに2,000円。量産は2009年第2四半期から2製品合計で月産50万個を計画している。

2製品ともに、従来比製品で培った技術を応用し、H.264 SD放送の受信機能に特化したものとなっている。また、USB2.0ホストコントローラやイーサネットMACを内蔵しているほか、これまで外付けで使用されていたUSB2.0やイーサネットのコア用クロック回路を内蔵している。これにより、外付け水晶部品を削減できる。

また、簡易デインタレーサ機能を内蔵しており、HDMIなどへの対応の際、従来必要としていた外付けデインタレーサICを不要としている。

さらに、外部メモリとの接続として、DDR2を採用する場合でも、外部接続端子の配置の工夫により、2層基板での対応が可能となっている。

このほか、3SL/LPでは、不正使用防止機能に対応しており、欧州を中心に普及が見込まれる放送セキュリティ仕様「DVB-CIplus」にも対応可能である。

内蔵CPUは、MIPS32 4KEc コアを搭載しており、288MHz動作で440MIPSを実現。製品の回路は、従来品から見直しを行った結果、待機時電力は従来品同等の1W以下だが、通常動作時の電力は従来品比で約60%低減となる1W台を実現した。