一方で、マイクロソフトでは、Windows Performance Toolkitをハードベンダーに対して提供することを示し、これにより、Windows 7におけるすべてのプロセスとスレッドのパフォーマンストレースを行えるようにするという。

基調講演で語る陣内氏

基調講演では、Windows 7のロゴプログラムについても言及。陣内氏は、「Vistaのロゴプログラムでは、複雑であること、シナリオベースになっていないなどのご指摘をいただいた。Windows 7のロゴプログラムは、そうした声を反映したものになっている」と前置きし、Vistaでは、プレミア、ベーシックに分かれていたロゴを、Windows 7では一本化。シンプルなものとし、ロゴを取得しやすい環境も用意することを明らかにした。

さらに、OEMメーカー(PCメーカー)に対して用意していたVelocityプログラムを、周辺機器開発などのハードメーカーや、アプリケーションソフトを開発するソフトメーカーにも広げ、エンド・トゥ・エンドでのPCの使い勝手にフォーカスしたプログラムを展開するという。

また、シナリオフォーカスとしては、メディアセンター、Windows Touch、デバイスステージの3つを掲げていくことになるという。とくに、デバイスステージは、Windows 7の新たな機能として注目されるものだ。

新たに用意した「デバイスとプリンター」を選択すると、そこにはメタデータで作成されたリアルなアイコンが表示され、どんなデバイスが接続されているかを視認できるようになる。メタデータが提供されていないデバイスの場合は、一般的なアイコンが表示される。このアイコンをクリックすると、デバイスステージに対応したハードウェアの場合、それらに関する各種情報を閲覧できるようになる。プリンタの場合には、インクの残量や操作方法、ビデオの視聴などを、IEを立ち上げずに見ることができる。

Windows7で新たに追加された「デバイスとプリンター」

デバイスとプリンターの表示画面

「デジカメの場合では、外出先で使い方が分からなくても、PC本体にUSB接続しただけで、それらに関する情報をネットを通じて入手。使用説明書もその場で閲覧できる。プリンタも、インク残量が少ないことを確認したら、同じ画面からオンラインで購入手続きができるようになるといった仕掛けが可能」という。

デバイスステージの画面

デバイスステージへの対応を発表しているのは、キヤノン、エプソン、ソニー、ニコン、モトローラ、ブラザー、ヒューレット・パッカードなどで、すでに一部メーカーではプロトタイプの開発を行っている。

さらに、Windows Touch機能では、PCの画面をタッチするだけで、各種操作が行えるもの。基調講演ではデモストレーションとして、地図を呼び出し、さらに手書き入力による地名を検索し、指だけで目標の場所をクローズアップしたりといった使い方を披露した。この機能を利用することで、2点を指で押さえて、地図を回転させるといった使い方も可能になる。

Windows Touch機能については、ヒューレット・パッカード、デル、NEC、レノボ、ASUS、パナソニック、富士通、エイサー、東芝などの主要なPCメーカーが対応することが明らかになっている。