オンラインゲームとは異なる手軽さに人気

ウェブゲーム急成長の背景を探ってみると、まず技術的な要因が挙げられる。RIA(Rich Internet Application)技術の進歩により、ウェブブラウザ上におけるプレイヤーとゲームとのインタラクティブ性が大いに改善された。ウェブゲームは俄然エキサイティングなものとなり、魅力が倍増した。ウェブゲームは、MMORPGのように専用クライアントをインストールする必要はないため、遊ぶために高度なスキルは求められない。ウェブブラウザさえあれば、誰でも簡単に遊べるという利点がある。

次に、社会的、経済的な四つの要因が挙げられる。第一に、ウェブゲームは、MMORPGなど流行のゲームとは一風異なった体験を、プレイヤーに与えることができる。第二に、ウェブゲームは、道具などゲーム内アイテムの入手に大きな金額を払えないプレイヤーや仕事などによってプレイ時間が制限されるプレイヤー、MMORPGの導入やレベルアップに必要なネット環境、スキルに恵まれていないプレイヤーなどに、これまでになかった選択肢を与えた。

第三に、ウェブゲームのプレイヤーが高い支払能力を持っているということだ。i Researchの報告書によれば、2007年の中国のウェブゲーム・プレイヤーの1契約あたりの売上額であるARPU値(Average Revenue Per User)は67元(約1,072円)で、これは比較的高い数値といってよい。

しかも、今後もARPU値の増加が予想されており、今年中には88元(約1,408円)に達する見通しだ。また、ウェブゲーム・プレイヤーの中で、月収2,000元(約3万2000円)以上の人が38.4%を占める。専用クライアントをインストールして遊ぶゲームである「オンラインゲーム」を含めたプレイヤー全体における同比率は23.5%であり、12ポイントも高い。

そして第四に、ウェブゲームはMMORPGゲームなどより、周りの目を逃がれて遊びやすいため、仕事場などでも大いに歓迎されている。i Researchがウェブゲームを選ぶ原因を聞いたところ、「仕事中は他のゲームはダメだが、ウェブゲームだけは遊べる」と答えたプレイヤーが全体の39.6%にも達していた。