ウェブゲームの主な収益モデルは6種類

上述のように、多くの企業やVCがウェブゲームに進出してきている。ウェブゲームから多くの収益を上げようというのが、これら企業の狙いであることは言うまでもない。儲けられるかどうか、どれほど儲けられるのかはプロフィットモデルによるため、ウェブゲーム業界はプロフィットモデルを非常に重視している。現在、ウェブゲームのプロフィットモデルは主に下記の六種類である。

第一は、道具などゲーム内アイテムの販売だ。これがウェブゲームの最も大きな収入源となっている。

第ニは、VIP料金。プレイヤーは代価を支払い、VIPメンバーになることで、ゲームにおける個性化、経験値アップ、特別なコンテンツで遊べるといった特典を受けられる。

第三は、複数の企業による協力モデルだ。インターネットユーザー、特にロイヤルティのあるユーザーを抱えている検索エンジンサイトやネットコミュニティなどがプラットフォームを開設し、開発企業やゲームキャリアがウェブゲームを提供するのがこのモデルにあたる。この場合、当然、利益は折半されることになる。

第四は、ウェブゲーム内の広告だ。ゲーム内で展開される広告から収入を確保し、プレイタイムを無料にするのがこのモデルだ。

第五は、ライセンシング。開発企業がウェブゲームのライセンスをゲームキャリアなどに与え、ライセンス料金を受け取る仕組みだ。

そして第六は、上記の五つの中のいくつかを同時に取り入れる複合モデルだ。

広告収入の割合増加が予測

このように、現状プロフィットモデルは主に六つあるが、費用を支払う者は、プレイヤーか広告主かの二者しかない。言い換えれば、ウェブゲームキャリアの収入源はプレイヤーに販売して得られるアイテム料金、VIP料金などの料金収入と、広告収入の二通りなのである。

調査機関のiResearchは、2008年中のウェブゲームキャリアの収入のうち、広告収入が8.1%、料金収入が91.9%を占めると見る。一方、2011年には、同比率がそれぞれ33.1%、66.9%になると予測している。要するに、ウェブゲームキャリアの収入源は、現在の料金収入一辺倒から、料金収入が3分の2、広告収入が3分の1という構成に変わっていくというのだ。

料金収入は言うまでもなく、プレイヤーがどれほどの料金を支払えるかにかかっている。ウェブゲーム・プレイヤーの支払能力が比較的高いとはいえ、料金設定が高すぎれば、プレイヤーの流出が止まらなくなるだろう。これを裏付けるように、iResearchは「料金が高すぎることが、プレイヤーがウェブゲームをやめる最も大きな理由」としている。より多くのプレイヤーを確保するため、ゲームキャリアは今後料金設定を工夫しなればならないだろう。

また、広告収入に関して言えば、その増加はウェブゲーム・プレイヤーがゲーム内広告をどこまで受け入れるかによって決まる。iResearch の調査によれば、72.4%のウェブゲーム・プレイヤーがゲーム内広告を受け入れるとしているが、これはオンラインゲーム・プレイヤー全体の47.8%より25ポイントほど高い。この数字を見ると、オンラインゲームに比べ、ウェブゲームキャリアが今後より多くの広告収入を得られる可能性が示されているといえる。

iResearchがプレイヤーに、「料金を支払う方法として何が一番好ましいか」を聞いたところ、33.7%のプレイヤーが「アイテムの購入」と答え、最も多かった。次いで「特に好ましい方法はない」が32.0%、 「VIP料金」が18.4%、「その他」が同8.3%、「プレイタイムに応じて支払う」が7.7%となった。プロフィットモデルの設定は、こうしたユーザーの嗜好に合わせなければならないことは言うまでもない。