マイコンを活用できるパートーナを募集

富士通の半導体子会社である富士通マイクロエレクトロニクス(FML)は、他の富士通グループと合同でブースを出展しており、入り口付近の通路の前面でFRAMマイコンの新製品「MB95R203」を用いたデモを行っている。

デモのリバーシに用いられているFRAMマイコン(これはサンプル品のため、パッケージが大きい)

FRAMを搭載したマイコンは、過去評価用に同社から提供されてきたが、MB95R203は製品として2009年第1四半期より量産が開始されることが決定している。

こちらが量産品のパッケージ(担当者としては、これでも8ビットマイコンとしては大きく、できればもっと小型化したいとのこと)

8ビットマイコンで、FRAM容量は8KB、フラッシュメモリとSRAM双方の使い方ができるため、ROM、RAMのどちらの領域としても使用可能となっており、SRAMのようにワークRAM領域として使用できるほか、SRAM同様に書き換え/消去のためのコマンドが不要である。

デモとしては、同マイコンを用いたリバーシやカウンタのデモが行われていた。いずれも、FRAMの特性を生かし、いきなり電源を落とし、再度復帰させても、瞬時に直前の状態を表示することが可能、というもの。

FRAMマイコンを用いたデモ(左がリバーシ、右がカウンタ)

製品としては20ピンパッケージで、電源電圧3.0~3.6V対応品を予定しており、ロードマップ的には30ピン、1.8V対応品などを予定しているが、「デモを見た人からは5V対応品や8ピン対応品などの要望もある」(担当者)としており、カスタマの要望次第では、ロードマップの変更もありうるようだ。

また、「FMLは半導体ベンダ。そのため、システムとしていかにFRAMマイコンを活用していくのか、という点で疎いのが実情。一緒にそういった有効活用が可能なシステムを考えてもらえるパートナを募集していきたい」(同)としており、幅広く、FRAMマイコンが活用できる分野を探っていきたいという。

このほか、同社ではフルHD対応MPEG-2→H.264トランスコーダ「MB86H52」の参考出展を行っていた。同製品は、フルHDのMPEG-2方式の映像データをH.264方式の映像データに変換し、データサイズをMPEG-2の半分以下に再圧縮するトランスコーダで、画質は維持しながら、再圧縮を行うことが可能だ。

MPEG-2→H.264トランスコーダ「MB86H52」の評価ボード