マイクロソフトは7日、同社の環境への取り組みについて、記者発表を行った。これは、米マイクロソフト 最高環境責任者 ロブ バーナード氏の来日に合わせて行われたものだ。

マイクロソフトでは約1年前、環境に取り組む組織を作り、多国籍企業としてどのようにすればユーザーに最も大きなインパクトを与えることができるかを考え、下図のような方針を作成したという。

マイクロソフトの環境に対する方針

そして、ユーザーがソフトウェアのポテンシャルを活用することによって、社会におけるイノベーションをどう生み出し、環境上の課題に取り組むことができるかや、世界に対して模範を示し、地球に対するインパクトを減らすことに対して、マイクロソフトが生み出したソリューションがどう活用できるかを検討してきたという。

米マイクロソフト 最高環境責任者 ロブ バーナード氏

ロブ バーナード氏は「パートナーだけでなく、競合他社とも協力して環境問題に取り組みたいと考えている。それは、社会が一丸となって取り組まなければ、この問題を解決できないからだ」と述べた。

同氏は、環境の問題に取り組む姿勢について「IT産業では、Windowsの進歩、チップの進歩、電源の進歩、コンピュータメーカの努力などによって、出力を高めながらエネルギー消費量を一定のままに保つ、あるいは下げることを検討しているが、IT産業が占める世界のエネルギー需要は全体の2%で、残りの98%の問題が残っている。そして、この98%の問題を解決するには、ソフトウェアの力を借りて、エネルギーの新しいパラダイム、気象資源に対する対策をとらなければならない。そのためには、パートナーシップが必要だ。それによりソフトウェア産業が一丸となって、環境問題に取り組むことができる。そして、情報を共有し、あらゆるイノベーションを活用するという透明性が重要だ」と述べた。

課題に取り組む姿勢

グローバルでの連携強化

同氏はさらに「エネルギー問題は、テクノロジだけでなく、我々の行動パターンにも問題がある。多くのエンジニアは、自分のところのデータセンターの電力量やデスクトップの電力消費量を知らない。ITの人たちに、エネルギーをもっと効率的に使う方法を考えるように仕向ければ、大きな変化が訪れるだろう」と語った。

具体的な例として、コミュニケーション機能を活用し会社に来なくても仕事ができるようにする、テレビ会議を利用することにより出張をなくすことなどを挙げ、ハードウェアの再利用として、中古PCに改修を加え発展途上国に送るという取り組みが紹介された。

マイクロソフト 業務執行役員 社長室 室長 富沢高明氏

日本における取り組みについては、業務執行役員 社長室 室長の富沢高明氏が説明。富沢氏は、社長室が環境問題を扱うというのはめずらしいが、これは4月に就任した樋口社長の、個別の製品やソリューションではなく、全社的に展開していくという方針に則したものだと説明。日本においては、グローバルの方針と整合性をとりながら、下図の3つを中心に活動を行っていくという。

日本における今後の活動

具体的は、今月中にサイトをリニューアルし、環境のページを設け、取り組み、ビジネスソリューション、テクニカルガイダンス、事例などを報告していくという。また、今年の8月には、Xbox 360の「あつまれ! ピニャータ2 ガーデンの大ピンチ」において、初期ロット1万本に対し、ソフト1本に対してフィリピンのミンドロ島に1本の木を植えるという地球の保全活動を展開。貢献した証明として、「ピニャータの森植林証明書(シリアルNo.入り)」が同梱された例が紹介された。