ノークリサーチが年商5億円から500億円を目安とする中堅・中小企業約7,000社を対象にした「2008年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」によると(有効回答数は1,765社)、ERPパッケージのベンダー別シェアで、SAPジャパンが3位に浮上した。
2007年まではOSK「SMILEシリーズ」(SMILEα、SMILE BS、SMILE ie)、OBC「奉行新ERP」(奉行vERPも含む)、オービック「OBIC7」、富士通「GLOVIA」の4社が上位を占めていたが、2008年はSAPジャパン「SAP ERP」(R/3、my SAP ERPを含む)が3位に浮上した。SAPは中堅・中小企業向けに「SAP Business All-in-One」および「SAP Business One」を提供しているがシェアには現れておらず、大手企業との取引に際してSAP ERPが必要となったケースが多いとノークリサーチは見ている。
ユーザー企業の年商別に見ると、年商5億円以上50億円未満の中小企業ではSMILEシリーズと奉行新/vERPが上位を争っている。
年商5億円以上10億円未満の企業ではSMILEシリーズと奉行新/vERPが共に20.7%で並び、この両社で全体の4割強を占める。10億円以上20億円未満の企業では奉行新/vERPが23.8%で首位、SMILEシリーズが10.9%で2位となっている。20億円以上50億円未満の企業ではSMILEシリーズが18.9%で首位、奉行新/vERPが16.1%で2位だった。
年商5億円以上50億円未満の中小企業では国産ベンダー同士で激しい競争となっており、今後SAPや日本オラクルの参入により競争はさらに激化すると見られる。
今後の利用予定シェアは、年商50億円未満の企業ではSMILEシリーズと奉行新/vERPが17-8%で拮抗し、年商50億円以上の企業ではSAP ERPが20.1%で首位となった。
ERPパッケージシェアとユーザー企業による評価を対比させると、SAPは他の上位ベンダーと比べて評価がやや低かった。これは、現在導入されているSAP製品が大企業向け製品ラインアップであり、中堅・中小企業向けの最適化がなされていないことが主な要因だと、ノークリサーチは分析している。