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マイクロソフト コーポレーション SQL Server データベース エンジン開発部門 ジェネラルマネージャのクエンティン・クラーク氏 |
続いて登壇したクラーク氏は「いかにIT技術者が抱える問題を解決し、ビジネスを成功へと導けるかは、Dynamic ITでも重要なテーマとして位置付けられています」と語る。ITは以前と比べて遥かに重要視されているが、残念ながら現在のIT投資状況は保守・運用管理向けが8割で、革新向けの投資はわずか2割にすぎない。そこで、この関係を逆転したいというのが同社におけるIT戦略の重要なポイントになっているという。「ITは日々のコストを削減するためのものではなく、あくまでも"戦略的な資産"であるとマイクロソフトでは定義しています」(クラーク氏)。
さらにクラーク氏は、次世代のデータセンターとアプリケーションを実現するための取り組みを紹介した。データセンターについては物理環境から仮想環境へ移行することで、モデルとポリシーによる管理、状態把握能力と自己修復、高可用かつ高セキュリティを実現。データセンターを最大限に活用し、新しいビジネスの問題を確認するためのソリューションを提供していく予定だ。
アプリケーションに関しては、オンプレミス型やクラウド型などあらゆる範囲をカバーすることが重要。これにより、連携・結合・サービス活用、新世代のユーザーエクスペリエンス、開発者と運用管理者の効果的な作業などが実現できるという。クラーク氏は「こうした取り組みは最終的にすべて"人"へと集約されます。ツールを人々に提供することで、ビジネスが直面している問題を解決できるのです。そのためには、ツールが人々にどのようなインパクトを与えるかを理解することも重要です」と語る。
講演後半ではDynamic ITによる生産性の向上を示す例として、地元の食材を使った飲食店が検索できる架空のサービス「ぐるめっと.com」を使ったデモンストレーションが行われた。これは今秋リリース予定の「Silverlighit 2」をベースに、地図検索サイト「Virtual Earth」の情報と業務データを連携させることでサービス提供を行うというもの。地理情報をデータ型として扱える「SQL Server 2008」の新機能をはじめ、アプリケーション開発においても「Expression Blend 2.5 プレビュー版」や「Visual Studio 2008」による直観的なインタフェースの作成、「Office SharePoint Server 2007」と「SQL Server 2008 Reporting Services」で可視化した社内ポータルサイトの容易な改編などが披露された。