STMicroelectronicsとEricssonは、モバイル機器向け半導体製品の合弁会社を設立すると発表した。両社のモバイル機器向けの事業を組み合わせ、スケールメリットを生かした事業展開を行い、業界トップを目指す。

STMicroelectronics(以下、ST)は伊仏合弁の大手半導体ベンダ、Ericssonは移動体通信事業を中心とするスウェーデンの大手通信機器ベンダである。新会社は、STの子会社であるST-NXP Wirelessと、Ericssonの子会社であるEricsson Mobile Platforms(以下、EMP)の対等合併により設立するもの。両社の2007年度の売上規模は、合計で36億USドルにのぼる。

ST-NXP Wirelessは半導体製品を、EMPはプラットフォーム製品を中心に扱っている。新会社設立の背景には、最近、半導体ベンダがリファレンスデザインや各種ソフトウェアといったプラットフォームまでを一緒に提供し、シェアの向上を狙うというケースが多くなってきていることが挙げられる。

なおST-NXP WirelessはSTとNXP(オランダの大手半導体ベンダで、旧Philips Semiconductors)がそれぞれ80%、20%の株式を保有する合弁会社で、今月から活動を開始している。新会社の設立にあたり、STは事前にNXPの保有するST-NXP Wirelessの株式を買い取る。これについてはNXPもすでに同意しているという。

新会社の本社はスイスのジュネーブ。ファブレス企業の形をとり、生産はSTや外部企業にて行う。会長にはEricssonのCarl-Henric Svanberg氏が、副会長にはSTのCarlo Bozottiが就任する予定。また最高経営責任者(CEO)はSTから、副社長(Executive Vice President)はEricssonから選出されるという。

現在、ST-NXP Wirelessは約5,000人、EMPは約3,000人の従業員を抱える。このうち7,000人は新会社へ異動となり、1,000人は新会社とは別のプラットフォーム設計会社の従業員となるという。