ルネサス テクノロジは17日、携帯情報機器、PC/AV機器、産業機器などに向けた無線LANモジュール「R8J43011A」を製品化した。国内向けに9月よりサンプル出荷を開始する。サンプル価格は5,000円。

無線LANモジュール「R8J43011A」

同モジュールは無線通信規格IEEE80211b/gに対応しており、無線の送受信に必要なベースバンドLSI、RF ICのほか、EEPROMや電源ICなど約80点の部品を薄さ1.25mm、9.7mm×9.7mmのパッケージに搭載しており、これにより、外付け部品としてアンテナ、水晶発信器を付加するだけで、無線LAN機能を機器に実装することが可能となる。

また、ベースバンドLSIとRF ICにはキーストリームの「KS7010」「KS3021」を採用することで、低消費電力化を実現している。KS7010はCPUのほか、SRAM、MAC機能などを内蔵しており、無線制御に必要なソフトウェアの大部分を搭載することが可能である。このため、従来はホスト機器のCPUが行っていた無線LANドライバなどの制御を同製品で対応できるようになり、ホスト機器のCPU負荷を低減することが可能となる。

さらに、ホスト機器との入出力インタフェースとしてSDIO、SPI、UARTインタフェースが選択可能であり、さまざまな機器に搭載が可能となっている。

なお、ルネサスでは、「高付加価値無線LANソリューション」に向けた取り組みとして、同モジュールだけでなく、モジュール内に搭載するソフトウェアのサポートも行うとしており、ユビキタスの無線LAN用ソフトウェアパッケージ「UbiquitousAIR NOE」と組み合わせた製品の提供も同年9月より開始するとしている。

同ソフトウェアの動作は、同モジュール内蔵のベースバンドLSIが制御するため、従来ホスト側で処理していた無線LAN用ドライバ、TCP/IPなどのネットワークプロトコルスタック、およびさらに上位層の認証プロトコル(WPA/WPA2サプリカント)などを統合して提供することが可能となる。