NECエレクトロニクスは19日、Windows Vistaの「Windows Media Center TV Pack」に向けた、地上デジタルテレビ放送をPCで受信可能にする半導体ソリューションを、パソコンメーカーやボードメーカーなどに提供開始したと発表した。サンプル価格は1個あたり4,000円。

「Windows Media Center TV Pack」は、13日にマイクロソフトが発表した、Media Centerに地上デジタル放送のTV番組の視聴、録画を可能にする機能を拡張したもの。今回のソリューションは、同社が量産出荷中のデジタル/アナログテレビ放送対応PC向けMPEGエンコードLSI「μPD61253」と、Windows Media DRM準拠の半導体駆動ソフトウェアを組み合わせたもので、同LSIはMPEGエンコード機能に加え、各国のアナログ放送受信やさまざまなデジタル放送規格に対応する機能を持つ。

地上デジタルテレビ放送では、受信データをHDDに転送する際、コンテンツ保護が総務省の取り決めにより義務付けられているが、同LSIは暗号回路を内蔵しており、暗号化処理を別途考慮する必要がない。また、同LSIはDVDレコーダーで採用実績があるハードウェアMPEGエンコーダを内蔵する。

同社は従来、PCメーカー各社が独自開発した地上デジタルテレビ放送対応PC向けに同LSIを出荷してきたが、Windows Media Center TV Packが日本の地上デジタルテレビ放送規格であるISDB-Tに対応したことを受け、同LSIの半導体駆動用ソフトウェアをDRMに対応させた。

同社では、パソコンメーカーやボードメーカーが同LSI搭載のチューナーボードを開発しPCに内蔵させることで、アナログおよびデジタルの地上波テレビ放送の受信が可能になるとしている。サンプル価格は、従来の半導体駆動用ソフトウェア搭載の同LSIと同等に抑えた。

同社は同LSIをこれまで月産10万個規模で量産出荷しているが、今回のソリューション追加などの拡販施策により、2008年内に月産30万個程度まで拡大できるものと考えている。