半導体ベンダである独Infineon Technologiesの日本法人であるインフィニオンテクノロジーズジャパンは29日、米Strategy Analytics調べとして2007年の日本地域における車載用半導体製品市場で、売上高が1億4,900万ドル、シェア3.2%で外資系サプライヤとしてトップ、国内ベンダを含めた順位としても5位にランクインしたことを明らかにし、都内で同社の車載用半導体に対する取り組みに関する説明会を開催した。
Infineonでは、車載用半導体事業の強化策として、2003年より全世界、全社員による品質向上活動「Automotive Excellence Program」を推進してきた。また、国内市場での顧客対応強化として、2006年7月に日本法人本社内に1次不良の解析を主に行う「不良解析ラボ」を開設、品質サポートの強化を推進してきた。
さらに日本法人では、従来の自動車・産業・マルチマーケット(AIM)事業グループを自動車と産業・マルチマーケット事業に分離、オートモーティブ事業本部を2007年11月に立ち上げるなど、日本地域における車載用半導体ビジネスの強化を図ってきた。
インフィニオンテクノロジーズジャパン オートモーティブ事業本部 事業本部長 土屋和久氏 |
インフィニオンテクノロジーズジャパンのオートモーティブ事業本部 事業本部長である土屋和久氏は、「現在、自動車市場は、ガソリン価格の高騰、CO2排出量の削減要求などの問題によりエネルギーの消費効率を改善する取り組みが求められている。車載用半導体には、こうした問題の解決に向けた取り組みが求められているほか、ゼロ品質不良が求められている。当社でも2003年から行ってきた品質強化策により、現在では97%の製品で1ppm以下の製品品質を達成するようになった」と語り、「トヨタ広瀬工場が仕入先に対して贈る品質賞において過去5年で優秀賞3回、優良賞1回を獲得するなど、高い品質が国内市場でも認められつつある」と、品質ならびにサポートの強化が日本市場での事業拡大の根幹になっていることを強調した。
インフィニオンテクノロジーズジャパン クオリティマネージメント 部長 波多野友利氏 |
その品質への取り組みだが、「現在は本当の意味でのゼロ不良が求められている。当社では、ゼロ不良に向け、現在、不良品の発生比率をppb(Parts Per Billion:10億個あたりの不良数)単位まで引き下げることに成功しており、段階を踏んでゼロ不良を実現していきたい」(同社クオリティマネージメント 部長 波多野友利氏)としている。
Automotive Excellence Programの基本は、「ゼロ不良を達成するための仕組みや考え方を社内全体に導入すること」(同)であり、2006年からは、これらの基本を踏まえ、製造現場での"信頼性改善へ向けた欠陥密度低減"や製品に対する"ダイレベルでの履歴管理"、業務プロセスにおける"ロット返却の低減"、人に対する"学びとった教訓の共有"といった取り組みを進めるフェーズ2の段階に入っている。
こうした取り組みを進めた結果、例えば組み立て・テスト工程に起因する不良率は、2007会計年度(2006年10月~2007年9月)において、0.02ppmまで低減されたという。