IBMはこのほど、新興市場における社会経済的な課題に対処しながら、社員のリーダーとしての手腕を育成することを目的とした同社の新しい人事プログラム「Corporate Service Corps(IBM海外支援チーム)」に参加する同社社員を選抜したと発表した。
同プログラムは、同社が昨年夏に発表した「Global Citizen's Portfolio(地球市民のポートフォリオ)」の一環で、21世紀の職場においてIBM社員がグローバルなリーダー、専門家および権限のある市民となれるよう、持ち前のスキルと専門知識の向上を支援するプログラム。生涯学習のために社員個人と会社とが拠出する口座の開設や、セカンドキャリアの機会創出を支援する取り組みも盛り込まれている。
同プログラムの開始にあたり、同社はワシントンD.C.のCitizens Development Corps、カナダのDigital Opportunity Trust、オーストラリアのAustralian Business Volunteersの3つの国際非政府組織(NGO)と提携。IBM社員が持ち前の技能を最大限に発揮できる適切なプロジェクトや、現地組織の選定に、これらのNGOが協力する。
今回、同プログラムには、全世界33カ国のIBM社員5,000名以上が応募。このうち100名がこのほど選抜され、年内にさらに100名が選抜され、今後3年間で総勢600名をプログラムに参加させる意向だ。
選抜された社員は、出身国や事業部門が異なる約8名で1チームを構成。IBMでは、今日の「グローバルに統合された経済」において最も成功したリーダーとなれるのは、多様なバックグラウンドや視点を持った人々を理解し、適切に協力できるグローバルな人材であるという理念のもと、今回のプログラムを通して、全世界の優れた実績を持つ社員どうしがネットワークを築く機会を提供し、異なる視点や専門知識を問題解決に活かしながら、さまざまな文化的背景や伝統を持つ人々との相互理解を深めることを推進する。
同プログラムでは、2008年に12のチームをルーマニア、トルコ、ベトナム、フィリピン、ガーナ、タンザニアに派遣。メンバーは、各国でビジネストレーニングの提供や、起業家の人脈づくりの支援などの活動を行う。また、赴任に先立ち、派遣チームは、現地の習慣、文化、言語、プロジェクト目標、社会経済情勢および政治情勢について学習するため、3カ月間の研修を受講。任期終了後は、元の職場に戻り、各自の経験を生かした業務に取り組む。