Google Koreaに、韓国人利用者のためだけの「Google なまり翻訳」サービスが登場した。

Google Korea「なまり翻訳」とは

このサービスは、Google KoreaのR&Dセンターに所属する技術者たちが総出で独自開発したという「なまり統計翻訳システム」を活用している。おもにソウルで使用する標準語をはじめ、韓半島南東部を指す慶尚道、同南西部を指す全羅道など地方ごとの方言に翻訳することが可能なほか、方言による検索まで可能になっている。

翻訳する方法は簡単だ。画面に翻訳したい文章を入力し、翻訳ボタンを押すだけですぐに結果が出てくる。この際「標準語から慶尚道なまりへ」といったように、翻訳モードの設定が必要だ。

なまり自動翻訳の画面。左の入力欄に翻訳したい文章を入力すると、右の出力欄に翻訳結果が出てくる。下にある翻訳モードで「標準語から慶尚道なまりへ」といったように、どのように翻訳するかを選択する

また、方言での検索も利用できる。たとえば、全羅道の方言で検索語を入力してもこれに対する結果が出てくるほか、検索結果で出てきたWebページも全羅道方言に翻訳し表示することが可能だ。

さらに、GoogleトークやGmailでもなまり翻訳機能を利用できる。Google トークの場合は、アカウントを作成する際に利用者が使う方言情報を登録しておけば、その後Googleトークを実際に利用する際、登録した方言を自動検出してくれる。そしてこの検出結果に合わせて、利用者が入力した言葉を登録した方言に自動的になまり翻訳してくれるのだ。

またGmailでは、メールの差出人が書いた方言メールを他の地域の方言になまり翻訳してくれる。ただし、長文メールの場合は「どんなに精巧なソフトウェアでも、ネイティブの流暢さに追いつくことはできず」、また「なまり翻訳機能がまだ完璧でない」(Google Korea)ため、たまに理解しづらい翻訳文も出てしまうという。そんな場合は、理解しづらい文章を選択することで、原文を確認することが可能となっている。

Google トークとGmailによる利用例。一番下にある青い「Googleなまり翻訳を利用してみる」ボタンを押すと、なまり自動翻訳サービスへ移動

Google Koreaでは「たとえ標準語が分からなくても、不便なく、すべてのWebページの検索ができるほか、他の地域の仲間と自由に意思疎通できる」と述べている。

4月1日だけの「なまり翻訳」

ところでここまでの説明、実はすべて嘘である。これはGoogle Koreaによる「エイプリル・フール プロジェクト」。

なまり自動翻訳サービスの説明ページは、ご丁寧に写真付きで実在してはいるのだが、このページの下にある「Googleなまり翻訳を利用してみる」というボタンを押すと、種明かしのページに移り、やっとだまされていることに気づく仕組みだ。

これに対するネティズンの反応は「それらしい説明ページを見てうっかりだまされたけど、Googleらしい発想で面白かったし新鮮だった」というものから、「Googleだったら、今本当にこのサービスを開発しているかもしれないな」というものまでさまざまだ。

嘘のような気がしながらも、説明ページがあまりに巧妙なため、すっかりだまされてしまうGoogle Koreaのなまり自動翻訳。韓国では友達をだます格好の"ネタ"として、大いに活用されている。