ケース1 販売会計アプリケーション
いくつかのハンズオンを通じてEMの動作例をみていきたい。まず販売会計アプリケーションにログインできなくなった原因を探す例だ。EMの操作はWebブラウザ経由なので、クライアントPCは特に性能を要求しない。Webブラウザ経由でログインして作業すればいい。
EMにログインするとシステムの動作が表示される。問題が発生していることは一目瞭然なので、そこからトップダウンしながら原因を探っていく。さらに自動調査機能を使えば一発で原因が判明するという寸法だ。このように問題の絞り込みが迅速におこなえる点がEMの最大の特徴といえる。
ケース2 データベースの自動チューニング
次にデータベースの改善だ。同様に問題を調査していって、最終的にデータベースに性能上のボトルネックがあると判明したとする。あとは自動チューニング機能を使って高速化を実現というわけだ。この例ではビューの事前生成とインデックスの作成で、データベース側において改善を実施している。仮にSQL命令の最適化が必要になったとしても、Oracle DB 10g以降であればSQLプロファイルを使うことでデータベース側の調整だけで済む。このあたりはさすがによくできている。
ケース3 Javaプロファイリング
今回公開されたEM 10gR4の特徴のひとつはJavaプロファイリング機能が導入されたところにある。稼働負荷がシステムの1%に満たないため、本番システムに導入してもほとんど影響を及ぼさないあたりがポイントだ。動作はEMのスタイルにそっている。EMと同様の手段で問題をトップダウン的に探していける。将来のリリースでJavaプロファイリング機能はさらに強化が予定されている。
ケース4 運用ルーチンワークの自動化
EMは問題解決のみならず、運用ルーチンワークの自動化にも活用できる。パッチの集中管理などができるため、これまで人海戦術で実施していた作業を確認する人員程度に抑えられるようになる。管理の手間軽減の点においてきわめて有益な機能だ。
すべてのOracleプロダクトを管理する統合管理プラットフォームへ
当面、EMはすべてのOracleプロダクトを管理するべく開発が進められる。買収によるポートフォリオの獲得が活発に行われているため、それら新しいポートフォリオをEMに対応させていくわけだ。既存のほかの統合管理プラットフォームに置き換わるというものではなく、それらとは一線を画したものとして開発が進められていくようだ。
EMの導入や教育はパートナー企業を通じて提供されるほかOracleコンサルティングサービス、オラクルユニバーシティなどで対応可能だ。