NECディスプレイソリューションズは、高度なカラーマネジメントが要求される印刷、写真、アート、DTP、映像などのプロユーザー向けの29.8型ワイド液晶ディスプレイ「MultiSync LCD3090WQXi」を3月10日より発売すると発表した。

液晶パネルのスペックは29.8型WQXGA(2560×1600)、輝度350カンデラ、応答速度12ms、コントラスト比1000:1。H-IPSパネルの採用により広視野角(上下左右178度)を実現し、斜めから見た場合でも色味がほとんど変化しない。パネル部分を90度回転できるピボット機構を搭載し、ディスプレイをタテ形表示にすれば、新聞紙ブランケット判(一般日刊紙などのサイズ:約540mm×400mm)の原稿を原寸サイズで表示できる。また、色域カバー率はAdobe RGB比107%・NTSC比102%を実現し、高い色再現性能を発揮できるとしている。

H-IPSパネル採用の29.8型ワイド液晶ディスプレイMultiSync LCD3090WQXi

別売オプションのハードウェアキャリブレーションソフト「SpectraNavi-J」と、推奨カラーセンサーを用いての高度なカラーマネジメントや、ICCプロファイルの作成も可能だ。推奨カラーセンサーのみでの簡易的なキャリブレーションにも対応する。さらに本体にもカラーセンサーを内蔵し、電源投入直後の輝度・色度の自動補正を行うほか、経時変化による輝度変動も自動補正し安定性を保つ。画面の輝度ムラ、色ムラ、ガンマを5段階で補正できる「ムラ補正機能」、中間調の応答速度を改善する「レスポンス・インプルーブ回路」、約679億6723色中約1677万色の表示を可能とする「12ビットガンマ補正機能」といった「専用画像処理IC」も新たに搭載した。なお、高い表示品質レベルを確保するため工場出荷時に1台1台、明るさ、ガンマ特性、表示ムラなどを個別に調整するという。

本体サイズは横687.3×高さ478.6~668.6×奥行き342.8mm、重量はスタンド込みで約19.1kg、チルト角度が上30度下5度、スイーベル角度が340度となっている。入力端子はDVI-DとDVI-IのDVI2系統2コネクタを装備する。本体色はホワイトとブラックの2色が用意される。価格はオープンプライスで、予想実売価格30万円の見込み。