ストレージ向け「PowerQUICC II Pro」ファミリの5品種を発表

続いて、「PowerQUICC II Pro」ファミリの新製品5品種の発表が行われた。ご存じの読者も多いかもしれないが、PowerQUICC II Proファミリは「PowerPC G2」と互換性を持つ組み込み向けプロセッサファミリで、e300コアを中心にEthernetインタフェースや外部バスコントローラなど各種ペリフェラルを集積した製品である。

同社によると、ネットワークストレージマーケットはSMB(Small-Medium Business)やSOHOを中心に年24%の伸びを見せているという。さらに、ハードディスクが必須となるメディアサーバを含めれば40%を超える伸びを見せており、成長を続けるストレージ向けにこれらの新たな製品を投入するという。

今回発表された「PowerQUICC II Pro」ファミリの新製品の位置付け。スライド右側の837xシリーズと831xシリーズ合計5製品が新製品

ラインナップは次のスライドに示す通りである。

新製品となる5品種の主なターゲット。SATAコントローラを内蔵しない8378および8314はルータ、アクセスポイントに向けた製品。そのほかはネットワークストレージやメディアサーバ、マルチファンクションプリンタなどに向けた製品となっている

837xシリーズは最大667MHzで動作するハイエンドおよびミドルレンジ向け製品、831xシリーズは最大400MHzで動作するローエンド向けの製品という位置付けである。この5製品のうち、8378および8314を除く製品がSerialATAコントローラを内蔵している。またPCI Expressにも対応しているという点が特徴となっている。

SerialATAコントローラを内蔵している製品では、従来は必要だった外付けのコントローラが不要になるという。そのため、これまでコストの問題でハードディスクを搭載できなかったアプアプリケーションにおいても、ハードディスクの搭載が可能になるという。その例として低価格なマルチファンクションプリンタを挙げていた。

なお、5製品の評価ボードやリファレンスデザインなども近日中にリリースされるという。今回の製品は、NASに対応する高性能プロセッサファミリとして注目しておきたい存在だろう。

これは8377の概要。SerialATAコントローラ2チャネル、PCI Expressを内蔵する。PCIバスもサポートされているため豊富な資産を持つPCIデバイスも利用が可能