WebEx Meeting Centerはウェブエックス・コミュニケーションズが提供するWebを介したリアルタイムコミュニケーション/コラボレーションのシステムだ。Meeting Centerのほか、Training Center、Event Center、Sales Center、Support Centerといった製品群で製品ファミリを構成する。
中核となるのは、Webブラウザを利用した遠隔デスクトップ機能で、1対他の画面転送機能のようなものだと考えてよいだろう。WebEx Meeting Centerの場合、ユーザーはミーティングの主催者と出席者の2種類の立場に分かれる。基本的な使い方は、主催者がプレゼンテーションを行い、画面を操作すると、同じイメージが全参加者のデスクトップ上のWebブラウザで再現される、というもの。プレゼンテーションを行う「プレゼンター」の立場は他の参加者に委譲可能で、現在誰がプレゼンターの権利を持っているかは、画面上に表示される参加者リストに「ボールのアイコン」で示される。ボールのやりとりで発言権をやりとりする、といった具合に視覚的に理解しやすいインタフェースを備えている点が使いやすさに繋がっている。
IP電話機能を利用した音声通話の機能も実装されているが、KWEで導入した2003年10月時点ではIP電話の信頼性やパフォーマンスがまだ不十分と判断されたため、KWEでは音声は会議電話システムで、ビジュアルイメージはWebEx Meeting Centerで、という2種類の通信システムを併用する形で運用している。
一般的なリモートデスクトップシステムと同様、プレゼンターのPC上で動作するアプリケーションを全参加者で共有することができる。たとえば、プレゼンターが開いたExcelシートのセルの値を参加者が変更する、といった作業も可能だ。前述の通り、画面上にビジュアルイメージを表示しておき、ポインタで特定箇所を指し示しながら会話したり、マウスを使ったドローイング機能でビジュアルイメージ上にその場で書き込みを行ったりすることで、視覚的なコミュニケーションを実現する。