フィンランドNokiaは8月2日(現地時間)、2007年第2四半期(4~6月期)の業績報告書を発表した。同期、売上高は前年同期比28%増の125億8700万ユーロ、純利益は同148%増の28億2800万ユーロ、1株あたりの利益は0.72ユーロとなった。同社では、推定シェア値を38%としている。

Nokiaは同期、1億80万台の携帯電話を出荷した。これは、前年同期と比べると28.6%の増加で、前期(2007年第1四半期)と比べると10.6%の増加となる。電話1台あたりの平均販売価格(ASP)は90ユーロ。前期の89ユーロから1ユーロあがった。Nokiaでは同期、世界で2億6200万台の携帯電話が販売されたと見ており、自社シェアを38%としている。シェア値は、前期は36%、前年同期は34%だった。

事業分野別に見ると、エントリからミッドレンジ携帯電話の「モバイルフォン」、マルチメディア携帯電話の「マルチメディア」、法人向けの「エンタープライズ」はすべて好調で、前年同期から増収増益となった。端末事業全体の営業利益率は過去3年で最高を記録。機種としては「Nokia 6300」「Nokia N95」「Nokia E65」などが好調だったという。携帯電話の出荷台数を地区別にみると、中近東・アフリカ地区が前年同期比36.8%増、アジア太平洋地区が同36.2%増、中国が同35.9%増で伸びた。だが、北米は前年同期比21.2%減となった。また、赤字が続いていた新設事業部、エンタープライズは今期初めて黒字転換を果たした。

その一方で、Nokiaが独Siemensと立ち上げ、4月に事業を開始したネットワーク事業者Nokia Siemens Networksは振るわなかった。同社の売上高は34億3800万ユーロ、営業利益は12億6600万ユーロの赤字となった。これを受けて、Nokia Siemens Networksは初年度2桁成長という目標を撤回した。また、合併によるコスト削減の目標を2010年から前倒しし、2008年末までに年間15億ユーロのコスト削減を達成する、などの対策をとる。

Nokiaは2007年の携帯電話市場の予測を上方修正し、成長率を「10%」から「10%以上」としている。だが、新興市場と競争が影響してASPは下がる予想という。

米IDCが8月2日に発表した第2四半期の世界携帯電話市場報告書によると、Nokiaのシェアは37%で、2位以降3社の合計出荷台数を上回る数を出荷した。2位は13.7%のシェアを獲得した韓国Samsungが米Motorolaに代わって浮上し、3位はMotorola(13%)となっている。

Nokiaは以前より"シェア40%"を目標に掲げており、今期はさらに目標達成に近づいた形となった。