中国セキュリティソフト大手の北京瑞星科技はこのほど、2007年上半期の中国におけるウイルスとインターネットセキュリティに関する報告書「2007年上半期中国大陸地区電脳病毒疫情和互聯網安全報告」を発表し、中国におけるウイルス被害の実態を明らかにした。

2007年上半期に、瑞星が遮断したウイルスの新種総数は13万3,717個。内訳はトロイの木馬型が8万3,119種、バックドアウイルスが3万1,204種だった。これらは、ユーザーのPCに進入し、個人情報などを盗んだりするもので、最終的には金銭の窃取を目的としているものが多い。前年同期比で、新種のウイルスは11.9%も増加したという。

また、ウイルスに感染したPCは全国総計で3,500万台を超えている。ウイルス被害にあったPCは全国のPC総数の半分以上を占めており、中国は世界でもウイルス被害が最も深刻な国になっている。被害地域のトップ5は広東省(368万3,818台)、山東省(260万8,937台)、北京市(231万1,517台)、江蘇省(225万9,339台)、浙江省(213万4,110台)となっている。ウイルス被害が、経済発展の著しい沿海地域に集中している現状が浮き彫りになった。

2007年上半期のPCウイルスのトップ10は、下記の通り。

        
順位 中国語表記 英語表記
1 ※1虫 Worm.Pabug
2 威金※2虫 Worm.Viking
3 熊猫焼香 Worm.Nimaya
4 網絡遊戯木馬 Trojan.PSW.OnlineGames
5 QQ通行証 Trojan.PSW.QQPass
6 ARP病毒 ARP
7 征途木馬 Trojan.PSW.ZhengTu
8 MSN相片 Worm.Mail.Photocheat.A
9 梅※3斯 Trojan.DL.Mnless
10 灰鳩子 Backdoor.Gpigeon

瑞星は、巨大な経済利益に誘惑されたクラッカー、ウイルス作成者の活動が日増しに産業化、グループ化しており、中国のインターネットユーザーが深刻な脅威にさらされていると警鐘を鳴らしている。

※1は巾へんに白
※2は虫へんに需
※3は革に、つくりが力