お金儲けとは関係なくSecond Lifeを楽しんでいる人たちの楽しみのひとつは、なりたい自分のキャラクタを演じることにあるだろう。

なりたい自分になるとき、容姿はこの世界において、少なからぬ意味を持ってくる。たとえばウェブで掲示板に書き込むなら、書き込む内容とは別に、文体やらアイコンなどによって書き手は自分のイメージを作っていくと思うが、Second Lifeの場合、アバタの姿自体がその人のイメージになり、さらにそれが参加意図や習熟度、嗜好などを表す大きな指標になる。だいたい初期状態のアバタのままでいると、同じ姿のアバタがたくさんいるので区別がつきにくい。

さらにいえば、なりたいキャラクタは美男美女や愉快なキャラクタとは限らない。現実の自分の画像と同じデザインの衣服・髪型のアバタ画像を、プロフィールとして公開している人をみたことがある。付き添いアバタが押す車椅子に乗ったアバタを見たこともある。初期状態のままでいて「容貌には無頓着でいたいからだ」と説明した人もいた。大げさにいえば、Second Lifeでは、自分のアバタのデザインに対する自由や責任から逃れられないのだ。

リンデンラボではアバタの容貌の著作権を、各々のユーザーに渡している。「コピーライトが問題になりそうなアバタになるのも自由ですが、罰せられるのもアナタです」ということともいえる。

とにかく、Second Lifeではシステム自体が、自分づくりを楽しむユーザーに応える仕様になっている。たとえば、アバタの姿を構成するパーツは、他の持ち物と同様に「在庫目録」のウィンドウで管理するのだが、この在庫目録のフォルダは、およそパソコンのフォルダ操作では見かけない「New Body Parts」だとか「服装を置換」といったオプションが選べるようになっている。

「New Body Parts」を選ぶと、新しい髪型や体型などが作成される。それらは編集して好きな髪型や体型を作ることができる。「服装を置換」は、フォルダ内に衣服に相当するファイルがあるときに出てくるオプションで、これを選ぶと、クリックひとつでアバタをフォルダ内にある衣類一式に着替えさせることができる。

フォルダを右クリックすると「New Body Parts」や衣服がどうこうといったオプションメニューが出てくる。「服装を置換」を選ぶと、フォルダの中身一式に着替えられる

「New Body Parts」で作った形(体型や顔のデコボコを決めるパーツ)を編集中。まったくの余談ですが、この「形」を編集しているときナンパされた

「服装を置換」では、衣類のみならず髪型や体型なども一括して取り替えるので、お気に入りの一式をフォルダにまとめておけば、あとはクリックひとつで、キレイなおねえさんにも、愛想のいいおばちゃんにも、動物キャラにも姿を変えられる。

人間以外の動物アバタなどは、だいたいは必要なパーツ一式がフォルダごと配布される。おねえさんアバタ(左上の画像)とは、構成しているパーツがかなり違っている

次のページで容貌の変更をもう少しみてみよう。