Cypress Semiconductorは18日(現地時間)、高輝度LED制御用マイコン「EZ-Color」ファミリを発表した。チャネル数は最大で16。同社のGUIベースのマイコン設計ツールである「PSoC Express」と組み合わせて利用できる。ツール上から使用するLEDを入力し、任意の色をGUIから選択することができる。店頭大型ディスプレイや演出照明、液晶ディスプレイのバックライトなどでの用途を想定している。

高輝度LED用マイコン「EZ-Color」ファミリ

今回発表になったEZ-Colorファミリは、チャネル数の異なる「CY8CLED04」「CY8CLED08」「CY8CLED16」の3つ。製品名のサフィックスがLEDを制御できるチャネル数を示している。CY8CLED04は最大で4チャネル、CY8CLED08は最大8チャネル、CY8CLED16は最大16チャネルのLED制御が可能である。本マイコンは、8~32ビットでの調光が可能。I2Cバス、SPI(System Packet Interface)、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、DMX512(USITTが制定した演出用照明とその制御装置の通信規格)、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)といった各通信規格に対応している。

LEDの制御において、安定した発色を実現するためには、複雑な計算が必要である。本マイコンは、PSoC ExpressやPSoC Express用ソフトウェアと組み合わせることにより、C言語やアセンブリ言語などによるプログラミングの知識がなくても、GUIベースでの設計が行える。ツールの画面上からLEDを選択し、表示されるギャマット(gamut:色再現可能領域)から任意の色を選択するだけで、製造によるLEDの偏差や温度に対するLEDの性能低下などの補正が自動的に計算される。

デモのようす - 標準カラースペース上に示されたギャマットからLEDの色をマウスで選択

またLED制御方式には、同社が開発したPrISM(Precise Illumination Signal Modulation)と呼ぶ変調技術を採用している。この方式により、一般的に用いられるPWM(Pulse Width Modulation)で制御を行うよりもちらつきやEMIの放射を低く抑えられるという。

本マイコンは、すでに出荷が開始されている。価格はCY8CLED04の場合、約4.00ドル(ただし大量購入時)。また同社では、本マイコンの評価キットである「CY3261A-rgb」の提供も行っており、同社のオンラインストアから149ドルで購入できる。

評価キット「CY3261A-rgb」のデモのようす

評価キットの裏側

評価キット「CY3261A-rgb」

評価キットの裏側