大日本印刷(DNP)は1日、NECファブサーブのフォトマスク製造および販売事業を譲り受け、DNPが100%出資する新会社「DNPファインエレクトロニクス相模原」を設立したと発表した。新会社の製造拠点は、NECの相模原事業場内に置く。従業員数は約150名。取締役会長には、DNPの取締役で電子デバイス事業部担当の永野義昭氏が就任した。なおNECファブサーブは、NECエレクトロニクスが100%出資する子会社である。

今回の事業譲受は、昨年(2006年)12月26日に発表されたもので、次のような合意のもとで手続きが行われた。

  • NECファブサーブが新たに子会社を設立し、フォトマスクの製造および販売事業を新会社に移管した上で、新会社の株式をDNPに譲渡する
  • NECエレクトロニクスは、保有しているフォトマスク関連の設備をDNPに譲渡する
  • 3社は事業の譲渡後もフォトマスクの開発および製造に関する事業協力を継続する

半導体製造プロセスはさらなる微細化が進んでいる。これに伴いフォトマスクの開発や量産技術開発にかかるコストも増す傾向にあり、小規模な生産設備などではこれが大きな負担となっている。今回の事業譲受により、DNPはフォトマスクの開発および製造体制を強化し、規模拡大による量産効果を高め、トータルコストの低減を図っていく。またNECエレクトロニクスは、高い競争力を持ち、良好な協業関係を構築できるDNPにフォトマスク事業を譲渡することで、半導体事業全体の競争力を高めていくとしている。