OP25Bとセットで語られることの多い送信ドメイン認証に関しても普及が進んでいる。今回の講演ではそのうちのSPFについて取り上げられたが、KDDIの本間輝彰氏によれば国内のSPF採用率は4月末で約6.6%。PCからau携帯電話向けに送信されたメールの4割以上でSPFが記述されていたそうだ。また、インターネットイニシアティブ研究所の山本和彦氏によれば、au携帯電話向けに限定しない場合、SPFが記述された実トラフィックは30%程度だったそうだ。

本間氏による送信ドメイン認証の普及状況

SPFでは、ドメインを詐称したメールを排除できるが、本間氏によればau携帯電話向けのメールでDIONのアドレスを詐称したのは30~75%。これをSPFでラベリングし、ユーザーがそれを元に迷惑メールとして排除することができる。また、宛先のメールアドレスが存在しないときに返ってくるエラーメールを送信しないようにもできる、というメリットもある。

ちなみに、総務省はドメイン認証に関する法的な見解も明らかにしており、SPFの結果でラベリングすることは正当業務行為として認められるが、その結果でISPが受信を拒否することは正当業務行為としては認められない、という立場だ。