中国では1999年から2006年までの間、たった7年間で大学卒業者の数が直線的に上昇した。この間、実に100万人余りの増大がみられたのだ。

昨年は中国全土から400万人を越える大卒者が求職市場へ流れた。今年は500万人を越える大卒者が就職戦線に突入する。就職率は、最も楽観的な予測でも、70%にしか達していない。

就職状況がこれほど深刻になっているにもかかわらず、たとえば、広州で昨年採用された大卒者の中で、約30%の人がその後「契約違反」をしている。全国の他の都市でも事情はほぼ同様で、大卒者の契約違反率は20%~30%程度にまで上っている。

ある調査によると、数多くの契約違反者のなかで、「よりよいキャリアを得るための契約違反」が43%となっており、「会社が採用当時の約束を反故にしたから」というのが20%。その他、「家庭、恋愛の都合で単身赴任したくないから」が12%となっている。さらに、「専攻と仕事の内容が合わないから」が10%で、「契約期間が長すぎるから」が4%などとなっている。

大卒者の契約違反が激増する一方で、契約違反金の額も暴騰している。ある調査によれば、1990年代の契約違反金は約800元だった。2000年前後になると、大学、企業が取る契約違反金の額は1,000~2,000元程度となった。2005年になると、大卒者の契約違反が日増しに増え、契約違反金の額も3,000元にまで上り、一部の大手企業では契約違反した大卒者に対して8,000~10,000元程度の契約違反金をとるようになった。また、中には20,000元も取る企業まで現れている。大卒者の契約違反現象が日増しに増大する傾向を受け、各地の大学と採用側は軒並み一定の懲罰規定を導入している。しかし、これらの措置が実際に問題を「根治」することは難しいだろう。なによりも、問題の核心が、上滑りになりがちな昨今の中国の青年心理のありようにあると思われるからである。