中国の大学生が直面している就職難の問題だが、その直接的な原因とははいかなるものであろうか。客観的にみて、以下の諸点が考えられると思う。

まず、大学卒業生としては、当然自分の学んだ専攻に合った仕事を見つけ、学んだものを活かし、自らを鍛えたいわけだが、このようなチャンス自体が非常に少なくなっている。

次に、新卒者であるから社会での実践経験も実務能力も乏しいわけだが、現在多くの企業が求めているのはまさにこの両者だ。ここには、深刻なギャップがある。

さらに、筆者のみるところ、中国の大学卒業生は「社会での競争」に対する意識が低く、そのわりに自己評価が根拠なく高いため、実際に仕事を探す段になると自らを「天の申し子」と思い違いし、余程いい仕事でないと就職しないという態度に出る。これでは、ますます仕事を見つけるのが難しくなってしまう。

就職活動中に、社会や大学からの指導が足りないことも問題だ。大学生もまた、就職、業種選択についての研究を怠っている。

一般に中国の大学生は自己期待値が高すぎ、空想にふけりがちで、何事も即時実現を望む。また、すぐに他人と比べたり、高い要求を出したりする。とにかく自分が大学を出ると、すぐに「ホワイトカラー(白襟)」になれると思い込む。理想と現実とのギャップを受け入れられないでいるのだ。