もう1つの興味深い兆候が、米Yahoo!が同日に発表したQ1決算だ。パートナー企業への支払い分を差し引いた売上は11億8,000万ドルで前年同期比約9%アップしたものの、純利益は前年同期の1億6,000万ドルから1億4,200万ドルと減少している。オンライン広告市場が拡大するなか、純利益の減少は業界最大手の1社として厳しい傾向にあるといえる。新型広告配信システムの「Panama」が今月より稼働し始めており、Yahoo!もQ2以降の決算への売上の反映を期待しているが、営業経費増加などからくる利益減少により、どれだけ効果を出せるかはまだ未知数だといえる。

Yahoo!にとってのリスクのひとつは、広告市場の低成長による売上低下であり、もし前述のように米経済が不景気に向かうのであれば、その兆候としてYahoo!の業績にまず情勢が反映されたとも考えられる。いずれにせよ、GoogleやYahoo!のようにオンライン広告に大きく依存するビジネスを展開する企業の業績は、経済情勢の風見鶏として要注目だ。