Java Community ProcessのJSR 313 Expert Groupは4日(米国時間)、「JSR 313: Java Platform, Enterprise Edition 6(Java EE 6) Specification」のJSR Review Ballotを開始した。Java EE 6は、2008年に公開が予定されているエンタープライズ向けJavaの次期標準仕様。

Java EEは、過去8年間にわたってエンタープライズプラットフォームとして採用され、その対象とするドメインを広げてきた。次期エンタープライズプラットフォームとなるJava EE 6ではさらに対応の幅を広げる必要があるが、昨今見られる開発分野の多様化から、従来と同じ仕様策定方法では間に合わない。

こうした背景を受け、JSR 313では機能の拡張ポイントを設けて分野ごとに機能の拡張を実現する「拡張性」と、分野に特化した機能を規定するための「プロファイル」を策定することに主眼をおいている。SOAサポートの強化が強く押し出されているが、それ以外でも「Java Authentication SPI for Containers」「Timer for Application Servers」「Work Manager for Application Servers」「Web Beans」「JAX-RS(Java API for RESTful Web Services)」などが新たに採用され、「Enterprise JavaBeans」「Java Persistence API」「Java Servlet」「JavaServer Faces」「JAX-WS」などの技術の更新が検討されている。

一方、注目度の高かった「Portlet Specification」「Content Repository for Java technology API」「Process Definition for Java」「Java Business Integration(JBI)」「XQuery API for Java(XQJ)」「Service Data Objects」「Portlet Specification 2.0」「SIP Servlet v1.1」「Portlet Bridge Specification for JavaServer Faces」は今回の採用は見送られ、さらに先のバージョンでの採用になる見通し。

Java EE 6の新機能に関しては、GlassFishにおいて参照実装が取り込まれる予定。ただし、GlassFish v2とv3のどちらで取り込まれるかについては未定とされている。2週間の投票期間を経た後、今後の詳細な予定が決まる。