高級腕時計の中には、製造本数や販売地域、販売時期が限られている「レアな」時計がたびたび登場します。本連載では、数々の腕時計を見てきたプロフェッショナルが厳選する、レアな腕時計を写真とともにお届けします。

今回は、多くのアンティークウォッチを取り扱うシェルマン銀座店の藤原亮介さんに「パテック フィリップ Ref.96PT」を紹介してもらいました。

パテック フィリップ Ref.96PT (1,300万円)※

レア度:★★★★☆

  • パテック フィリップ Ref.96PT (1,300万円) ※シェルマンでの店頭小売価格(取材時)です。コンディションその他の事情で価格は変動します。

    パテック フィリップ Ref.96PT (1,300万円) ※シェルマンでの店頭小売価格(取材時)です。コンディションその他の事情で価格は変動します。

どんな腕時計?

1932年から1970年代まで同一のリファレンスで40年以上製造された大定番のドレスウォッチです。現在、パテック・フィリップはラウンドの時計をカラトラバと呼びますが、最も代表的なカラトラバが「Ref.96」です。

フラットなベゼルから膨らみを一切帯びることなく、切り立つようなケース形状と、流れるようなラグのラインが「これぞまさにカラトラバ」というデザイン。30.5mmの小ぶりなケース径であっても18mmの革ベルトとの組み合わせで存在感をしっかり主張しています。

1940年代後半までのモデルは「PATEK PHILIPPE & Co」、以降は「PATEK PHILIPPE」と文字盤の上のロゴが変化します。

スタッフに聞いた、この腕時計がレアな理由

「Ref.96 PT」自体、シェルマンで3年に1本取り扱いがあるかどうかぐらいの腕時計です。その中でも、今回のようにマテリアルにプラチナを使った1940年代後半のモデルで、文字盤に&Coが入っている個体はなかなかないと思います。

  • 文字盤のロゴ

    文字盤のロゴ

また、1950年代後半までのパテック・フィリップのロゴは黒エナメルを流し込んで焼き付けていると言われていますが、プリントされたロゴとはまた違った独特な立体感を醸し出しています。

文字盤のところどころに少し腐食劣化が見られるなど決して抜群のコンディションというわけではありませんが、1949年に製造された腕時計であることを考えれば、よく残ってくれていたと感謝したくなる1本ですね。