高級腕時計の中には、製造本数や販売地域、販売時期が限られている「レアな」時計がたびたび登場します。本連載では、数々の腕時計を見てきたプロフェッショナルが厳選する、レアな腕時計を写真とともにお届けします。
今回は、多くのアンティークウォッチを取り扱うシェルマン銀座店の藤原亮介さんに「パテック・フィリップ Ref.2526」を紹介してもらいました。
パテック・フィリップ Ref.2526(968万円)※
レア度:★★★★★「実物をみれたらご利益があるかも?! レベル」
どんな腕時計?
「トロピカル」とも呼ばれる、1953年に誕生したパテック・フィリップ初の自動巻きドレスウォッチです。肉厚のK18ローターが力強く巻き上げる「12-600AT」のムーブメントは、今も多くのファンを魅了しています。
文字盤に使われるポーセリンは、2度焼きの手法を採用。1度焼いてから釉薬(ゆうやく)をもう1回塗り、それから再度焼き上げることで、焼き物ながら非常に丈夫です。
その独特な深みのある文字盤や、秒針や長短針に用いられる針の立体的な構造をルーペでじっくりと覗き見れば、現代の腕時計とは一味違った味わいが楽しめます。
スタッフに聞いた、この腕時計がレアな理由
PPと刻まれたPPリューズはパテック フィリップの自動巻きの中でも最初期モデルだけに使われていました。一見すると滑って巻きづらそうなデザインですが、手で巻く必要がないことをアピールしているように感じます。
直近1年半の間にシェルマンでは5本ほどを取り扱っていますが、それ以前は4年ほど入荷がありませんでしたので、簡単に見つかる腕時計ではありません。特に文字盤に細かいひび割れ(クラック)が入ってしまっていたりすることが多く、このように状態の良いものはだいぶ減っています。
その中でも、今回紹介する「Ref.2526」はクラックもなく、ケースとストラップをつなぐラグのラインも、しっかりと残っています。なでるように磨くだけでも丸くなってしまう部分なので、非常に良いコンディションです。





